外傷性頚部症候群とは,労働災害や交通事故などの外傷によって起こった頸部周辺の呼ばれる疾患を言います。かつて ”むちうち損傷”とよばれマスコミでも大きく取り上げられ重篤かつ予後不良な疾患と考えられた時期もありました.昭和40年代に追突事故などの際にくびが猛獣使いのむちのように前後にしなって振られるため”むちうち”といわれていました。しかし車にヘッドレストが搭載されるようになってからは、そのようなくびの過伸展は生じないことが医学的に証明されています.かつてみられた脊髄内部が裂けたりするような損傷はみられなくなったものの、近年の交通事故の増加により頚部痛を訴えることは増えてきているのが事実で、むちうち損傷とよばれる病態がなくても頸部痛が起こることも証明されています. ヘッドレストが装備されバンパーがへこまない程度の衝突でも発症し,慢性化遷延化することもあります.頸部が過伸展しなくても生理的可動範囲内での運動でも起こりうると言われています.(平林(元慶応大教授)ら,1999) |
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定義 |
分類 土屋の分類(1968) |