上腕骨外顆炎(テニス肘) 

上腕骨外顆炎は,肘関節の外側に生じ,中年のテニスプレーヤーにみられる事から別名「テニス肘」と呼ばれることがある.家庭の主婦や手を使う人にも多く,テニスプレーヤーの肘関節障害にはこれ以外の病変もあることから上腕骨外顆炎イコール「テニス肘」ではない。必ずしもテニスプレーヤーに限らず,中高年の重労働者や主婦のほうがむしろ多いかもしれない。テニスで起こる場合はとくにバックハンドストロークで、ボールインパアクトの瞬間ラケットに加わる衝撃が肘の前腕伸筋腱起始部に集中するため,ここに腱の微細断裂と炎症が生じるため起こる。

 典型的な症状

肘の外側に痛みを生じる。軽症のときは、バックハンドストロークとバックボレーを打つときのみ痛みを感じる程度だが、進行期にはプレーで痛みだす。日常生活ではポットやかばんを持ち上げたり,雑巾をしぼるときに肘に痛みが走ります。

上腕骨外側上顆の前腕伸筋腱起始部を抑えると痛みが走る(圧痛)手背に抵抗を加えながら手関節を背屈させると痛みが誘発されます。(テニス肘テストThomsen's test)

 

治療

@日常生活でなるべく使わない。

A手関節の使いすぎによって起こるため手関節をバンドやサポーターで固定する。

B湿布薬の塗布,鞘炎鎮痛剤の内服。

Cステロイド剤の局所注射。

D理学療法:急性で疼痛が強いときはアイシング

慢性期には温熱療法(マイクロウェーブ、超音波、温水渦流浴など)

E運動療法:前腕伸筋群の使いすぎが原因なので,疼痛がなくなttら使いすぎに耐えられるように強化することが大切です(特にスポーツ障害の場合)。ダンベルなどで筋力強化を行うことが再発予防になります。

F手術療法:保存的治療によって治癒しないとき腱の起始部を切除する。

患部を安静にして使わないことが原則。テニスなどのスポーツ障害のときは、プレーヤーの症状や技量に応じて治療を変え、プレーの禁止期間を決め、再開を段階的に行うことが必要になります。

 

 

医療法人社団成山会山の上クリニック