腰椎分離・すべり症

 腰椎分離症とは,腰痛を起こす原因疾患の中でも特に育ち盛りの小学生とか中学生の子供たちに集中して起こる病気です.脊椎の椎弓の一部が分離していて,骨のかわりに軟骨とか線維組織がつまっている状態をいいます.発症の原因として有力視されているのは,繰り返す負担によって椎弓の関節突起間部に亀裂が生じる疲労骨折説です.分離症がみられると重みがかかって椎体が前方に滑ってきます.これを腰椎すべり症といいます.

 中年以降に起こる変性すべり症もある腰椎すべり症は分離症がなくても起こる場合があります.40から60代に多発し,男性より女性に倍以上多く見られます.椎間板の変性や加齢による靱帯の脆弱化がおこると腰椎が分離症がなくても前方にすべってきます.

 分離症やすべり症は,たとえそれがあっても何ら症状を訴えない場合が多い.たとえば,ゴルフスイングをしそこなったとか,ちょっとした弾みで腰をひねったという場合に腰痛が生じます.きっかけはともかく,腰痛を訴えて受診し,レントゲン写真をとってみてはじめてそれとわかることがあります.

 日本人の約5%ぐらいは脊椎分離があるといわれ,腰痛がないまま,偶然レントゲンで発見されることもあります. 

 医療法人社団成山会山の上クリニック