手指の変形性関節症

 

変形性関節症(OA)とは,加齢現象などが原因で起こる関節の炎症を言います.関節炎が起こるメカニズムは,まず骨と骨のつなぎ目である関節のこすれ合う面である関節軟骨の損傷が起こります.これに続発して加重されるの軟骨の下面の骨に,骨嚢胞と呼ばれる穴があきます.その結果軟骨と滑膜との境目に骨棘と呼ばれる骨の変形が突出してきます.この結果最終的には滑膜炎といって関節を取り囲む膜に炎症を起こして間節がはれてくるわけです.


 典型的な症状(へバーデン結節) 

45歳以上の女性の指の一番先の関節の腫れがみられます.最初は発赤とともに痛みがみられますが一定期間進行すると進行はとまり、痛みも少し和らぎます.レントゲン撮影では関節の隙間が狭くなり,骨棘と呼ばれる変形がみられます.

皮膚の表面は関節の骨の隆起に一致して薄くなり,光沢を帯びててかてかしています.時にゼラチン様の光で透けて見える嚢胞(穴)が見えることもあります.

母指手根中手(CM)関節症といって親指の一番根元の関節に好発します.ピンチ動作といって物をつまむとき親指をよく使うため起こります.  

 

 治療

患部の安静,鞘炎鎮痛剤の内服やハップ剤の貼布を行います.

急に疼痛が強くなったときは副腎皮質ホルモンの関節内注入が効きます.スポーツで患部への負荷が避けにくい場合は装具を使用します.

 

医療法人社団成山会山の上クリニック